【橘】4尺3方開き 真宗大谷派のお仏壇のお買い替え、表装直し等。滋賀県彦根市のお客様

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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。

彦根市にお住まいのお客様より、【橘】4尺3方開き、真宗大谷派のお仏壇にお買い替えいただきましたので、ご紹介いたします。

 

【橘】4尺3方開き  滋賀県彦根市  真宗大谷派(お東) 買い換え

 

今回のお客様は、以前に奥様方のお仏壇をご購入いただいた方で、数年前からお仏壇についてご相談をいただいていました。お仏壇のお洗濯をご希望でしたが、かなり古いのでお洗濯の費用もかさむことから、買い替えも検討されていました。

 

こちらがそのお仏壇です。とても立派な彦根仏壇で、100年以上は経っているものでした。一度お洗濯もされたようで、一見して金箔もまだ残っていますが、よく拝見すると木が傷んでいるところも多いようでした。お洗濯をすればきれいにすることはできますが、傷みが激しいため木地から交換が必要な部分も多くなり、費用がかさんでしまいます。変わらないくらいのご予算であればとお買い換えの選択肢もご提案していたところ、このたびお父様の50回忌を迎えられるにあたり、買い換えることを決断されました。

 

お買い替えにあたり、ご本尊や両脇など仏画掛け軸は、お手持ちのものを表装直しをして使われることになりました。また、仏具も可能な限りお手持ちのものを加工するなどして再利用します。まずは、お仏壇お仏具一式をお引き取りして持ち帰りました。

 

本尊両脇 表装直し 【修復前】

こちらは、ご本尊と両脇の仏画掛け軸です。上が表側、下が裏側です。以前お洗濯をされたときに表装直しもされたようで、裏側についている一部黒っぽい紙は、前回の表装直しの時に貼り付けたもともとの掛け軸の「裏書」部分です。「裏書」は掛け軸の裏側に書かれているもので、表の仏様と表裏一体となるものです。表装直しの時は、この裏書も残して直すのが一般的なやりかたです。

 

本尊両脇 表装直し 【修復後】

表装直し後です。絵が描かれている本紙と呼ばれる部分をめくって取り外し、汚れを取ったり破れがあれば裏打ち(裏から補強をすること)をして、新しい表具に貼り付けます。裏側には裏書を貼り付けます。今回は表装するにあたって以前より少し幅を狭くしたので、裏書を縦向きに貼り付けました。

 

法名軸 【修復前】

法名軸 【修復後】

法名軸も同じ方法で表装直しをしています。左が表側、右が裏側です。阿弥陀様と同じ宗紋入り本金襴の表装です。仏具もお磨き不要の表面加工(金めっき加工・セラミック加工)等を行って、新しいお仏壇に設置します。

 

【橘】4尺3方開き 真宗大谷派(お東)

ご納品時の様子です。当店の金仏壇「橘」です。4尺は伝統的な彦根仏壇の標準的なサイズで、扉を閉めた時の幅が120cmということを指しています。3方開きは、前方だけでなく両サイドにも扉があり、開けると横に大きく広がります。また今回は、古いお仏壇をお引き取りしてからご納品までに、仏間の床も貼り替えをされています。

 

お仏壇正面です。三方開きで扉を大きく開くと、柱が立体的にきれいに見えることも彦根仏壇の三方開きの特徴です。柱には、お東の紋(八藤)が4つ入っています。前狭間の図柄は、孔雀と牡丹で、ご希望があれば変更も可能です。

 

お仏壇内部です。中央上の灯籠と五具足(花立一対・鶴亀の蝋燭立て一対・香炉)は、お手持ちのものに金めっき加工を施しました。お手持ちのものをできるだけ使いたいとご希望になるお客様はたくさんおられますが、きれいに修理することで、新しいお仏壇にも違和感なくお使いいただくことができます。このお写真にはありませんが、このほかにお手持ちの普段用二具足をセラミック加工、法要などに白い丸餅を載せる供花を塗り箔修理しています。浄土真宗のお仏壇に欠かせない御文も表装直しをして、御文箱に入るようにサイズダウンしました。

 

手前には経机をご用意しました。普段はこちらで火を焚いてお参りします。こちらはすべて新しいものをご用意しました。以前のお仏壇と違ってお仏壇内部で火を焚くことがないので、油煙などの汚れがお仏壇につくこともありません。

 

お隣の床の間にあるのが、修理したお手持ちの二具足です。今回はご法要にあわせてのお買い替えでしたが、立派なお仏壇に買い替えられて、今まで使っていた愛着のあるものもきれいにして使い続けることができ、大変喜んでいただけました。後日、当店で行っているお引き取りしたお仏壇の供養会にも参列くださいました。ずっと大切にされてきたお仏壇にも思い入れがあったと思いますが、同時に、お仏壇が古くなっていることもずっと気にされていたのではないかと思います。こうして以前のお仏壇の一部を残すことができ、喜んでいただけて何より嬉しく思っております。このたびは当店にお仏壇のご用命をいただきまして、ありがとうございました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。