オーダーメイドで製作した曹洞宗のお仏壇。滋賀県大津市のお客様

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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。

滋賀県大津市のお客様に、オーダーメイドで製作した曹洞宗の金仏壇をお求めいただきましたので、ご紹介いたします。

 

金仏壇 銀杏27号(W86㎝×H176㎝×D74㎝) 海外(中国)製 滋賀県大津市 曹洞宗

 

大津市にお住まいのお客様よりお仏壇をご購入いただきました。お客様がお住まいの大津市は、彦根の当店があるまでお車で1時間ほどです。きっかけは私どもの知り合いの方からのご紹介でご来店くださいました。お客様は、ご紹介者様の奥様のご実家で、お父様が亡くなられ、ご自宅の仏間に合ったお仏壇をお探しでした。

 

初めは、ご紹介者様もご一緒に、来店ご予約の上お越しになりました。仏間に合ったサイズで、宗派(曹洞宗)にもあった金仏壇をご希望で、仏間の寸法も測ってお越し下さいました。当店の展示場内に、ちょうど良いサイズのお仏壇をいくつか陳列しておりましたのでご覧いただいたのですが、その中には宗派が合ったものがありませんでした。「大きく開けば問題ないから」と宗派が合ったもう一つ小さいサイズのお仏壇もご覧になりましたが、やはりサイズは大きい方が良いということになりました。そこで、四十九日までの納品に間に合う展示品の購入をあきらめ、約5か月後の初盆には間に合ういちから製造することを選んでいただきました。仏間に合ったご希望サイズで、宗派に合った仕上げの金仏壇を受注生産でお作りすることになりました。いちから作る場合、仏間の高さに合わせて仏壇の高さを決めています。そこで、後日仏間の正確な採寸にお伺いました。

 

ご納品が完了したお仏壇です。今回は費用面でもお考えのご予算がありましたので、お客様のご了解をいただいて、海外でいちから製作した完全オーダーメイドのお仏壇です。仏間寸法も自ら採寸に伺ったので、高さもぴったりのものをお作りできました。初盆までとのお約束通り、8月の上旬にお納めしました。ただ今回は新家で仏具を一切お持ちでなかったので、ご納品の前に祭壇でお祀りできるよう、当面必要になる木魚やおりんなどは、お仏壇にあったものを先にお持ちしました。

 

当店の名称で「銀杏27号」というお仏壇です。幅は86㎝、高さは176㎝、奥行き74㎝となっています。サイズのバランスとしては標準的なお仏壇です。きれいな刺繍のある布は「打敷」で、普段はかけないのが正式です。お盆の時期でしたので、こちらは夏用の素材(紗)を使用したもので、秋のお彼岸にはセットでお付けしている冬用を使います。

 

ご本尊は座釈迦如来の総金箔です。「眼入り」といって、瞳を筆で描くのではなく、仏像頭部の作成段階から眼球部分を目の中に入れて作成し、立体的になるようにしています。高級な仕上げです。蓮の花の下の台座は六角華鬘(けまん)台座といいます。両脇は曹洞宗の両大師(右側:承陽大師、左側:常済大師)の掛軸で、中金襴 印刷画です。右端にあるお位牌は、千倉座(5.0寸)で作らせていただきました。お仏壇内部の仕様や仏具も、宗派に合ったものとなっています。

 

こちらはお障子を閉めたところです。展示していたお仏壇にはここには蒔絵はありませんでしたが、曹洞宗のお仏壇では、ここに必ず蒔絵が入っています。「花鳥」という柄で、牡丹や竹、梅などと鳥をあわせた図柄で、すべて手描きで仕上げられています。

 

仏具のほか、経机・おりん・座布団などもセットになっています。今回は、いつもお渡ししている標準的なものです。蝋燭は、入仏の時に使う赤いものをお持ちしています。

また、こちらのお仏壇は、高さのある深い引き出しがあり、木魚などの仏具を収納できるようになっています。

展示していたお仏壇(浄土真宗本願寺派)

展示していた浄土真宗本願寺派のお仏壇には、今回お作りしたお仏壇ほど高さのある引き出しはありません。浄土真宗は木魚を使わないため、それ以外の宗派のような大きな深さのある引き出しを必要としないのではないかと私なりに解釈しています。こうした点も宗派に沿った仕様となっています。

 

コロナ禍の影響もあって心配していましたが、なんとか予定通りに製作が進み、8月上旬には検品等を済ませてご納品することができました。このたびはご縁あって当店にお仏壇作りをお任せいただきまして、ありがとうございました。お任せいただいていちからお作りすることになり、どんなものができるのかとご心配だったかもしれませんが、ご納品の時は大変喜んでくださり、ご満足いただけていたご様子でしたので、私どももホッとしております。何かお役に立てることがございましたら、いつでもお気軽にお声かけくださいませ。今後ともどうぞ末永いお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。