橘28号、浄土宗用の金仏壇へお買い替え。滋賀県湖南市のお客様
ホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。
日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。
滋賀県湖南市のお客様より、浄土宗用の金仏壇 橘28号へお買い替えをいただきましたので、ご紹介いたします。
浄土宗用金仏壇 橘(たちばな)28号 前開き 国産 滋賀県湖南市のお客様
ホームページをご覧になったお客様から、「お仏壇のお洗濯の見積もりをお願いしたい」をしたいとお電話いただきました。お母様が亡くなられてのご相談でした。まずはご自宅へ伺ってお仏壇を拝見させていただきました。
こちらがご相談のお仏壇です。4~50年ほど前に他社ですが彦根で作られたお仏壇で、それほど傷みもなく十分にお洗濯できる状態でした。
お話を伺っていると、仏間の隙間が少ないため、扉を中に入れ込むことができず、いつも仏間から扉が飛び出ていることを気にされていました。そこで、お洗濯のお見積りとあわせて、ひと寸法小さいサイズの新しいお仏壇の見積もりもご依頼いただきました。
ご本尊です。台座の蓮華なども取れてしまって、煤の汚れも見られました。お仏壇に対してサイズも小さいようです。こちらは修理のお見積りをご依頼いただきました。
こちらは両大師様の仏像です。浄土宗のお仏壇では、両脇も掛け軸などではなく仏像をお祀りしていることもあります。こちらもきれいにしたいとご希望でした。
こちらは置き灯篭です。大きなお仏壇にあった大きめのものです。少し古くなっていますが、表面に色付けをしなおせば新品のようになります。お洗濯の場合はこちらもすべて修理をすることになるので、見積りにあたり確認しています。お買い替えになるとお仏壇が小さくなるので再利用は難しくなり、新調いただくことになります。
引き出しを抜いて、懐中電灯を当てて奥まで木地の状況を確認しました。中もやはりまだ十分にきれいで、傷んでいませんでした。
お手持ちの仏具です。こちらはお仏壇の外に置くものなので、小さいサイズの仏壇に新調されても使うことができます。できれば使いたいとおっしゃっていましたので、確認のためにお写真を撮らせていただきました。その後、お見積りを作成して再度ご自宅へ伺ってご説明を差し上げました。
お見積りのあと、ご本尊は新調されることになりました。初めは修理をお考えでしたが、お見積りで費用がかさむことが分かり、後光も浄土宗にそぐわないものでサイズが小さいことも気にされていたので、お仏壇に相応しいサイズのものに新調しようということになりました。上質な白檀の一木から作られ、袖の中も彫られている(割り袖)など繊細な彫刻が施され、眼も眼球を内部から入れた「眼入り」という高度な仕上げとなっています。(上彫仕上げ)
展示しているお仏壇 橘(たちばな)28号 国産
こちらは当店に展示しているお仏壇です。お見積りのあと、実際にお店にお越しいただいて実物を見ていただきました。お持ちのお仏壇よりも幅が12cmほど小さい、28号というサイズです。
お障子を閉めたところと、扉を完全に閉めたところです。彦根で最終的な仕上げをして造り上げたお仏壇です。実際にご覧いただいてとても気に入られたのですが、もう少し費用を抑えたいというご希望もあったので、海外製のもう少しお求めやすいお仏壇のお見積りも追加で作成しました。結果的にはあまり価格が変わらなかったこともあり、展示のお仏壇にお買い替えされることになりました。
ご納品時
【仏壇】浄土宗用金仏壇 橘(たちばな)28号 前開き 国産
ご納品時です。28号というサイズは、扉を閉めた時の幅が2尺8寸(約85cm)となっています。「前開き」は前面のみに開くタイプで、ほかに三方向が開く「三方開き」もあります。
ご本尊はお買い替え、両大師様・お位牌は掃除、金箔直しをさせていただきました。お仏壇の中の仏具は以前のものはサイズが大きかったので新調しています。
【本尊】新調 阿弥陀如来立像(浄土宗用)6.0寸
白檀上彫仏像(割り袖・眼入り・金泥書き)金箔光背台座 蓮華彩色
お買い替えいただいたご本尊は、浄土宗の阿弥陀様です。後光も浄土宗に相応しいものになっています。蓮華部分は金のものと彩色のものとあり、彩色をお選びいただきました。
【両脇】お手持ち 両大師(右:善導大師・左:法然上人)5.0 持ち帰って、掃除・金箔直し
両脇の両大師様はお手持ちのものをきれいにしてお祀りしました。彩色がはがれないようにほこりや煤を取って、金箔のところはきれいに金箔をやり直しています。
位牌 母様分を新調(他の昔の位牌と同じ種類・寸法)
古い位牌を処分して、「先祖代々之霊位」の位牌を新調(先祖代々なので、同じ種類で大きめ)
仏具はすべて標準でお付けしています。五具足は、真鍮製で表面は昔ながらの漆焼き付けをしています。塗装と違って耐久性も高いです。花立にあるのは、蓮の花をかたどった「常花」といって、浄土真宗以外の宗派で使う仏具です。真鍮製で金消しメッキ加工をしています。お蝋燭と置き灯篭はLEDで光っています。熱くならないので安全で、長持ちするため取り換えにくいところにも適しています。
経机の上の火立2と花立2は、お手持ちの物を色付け加工して再利用
こちらは、以前はお仏壇の中で使っていただいていた仏具です。お仏壇が小さくなったので内部では使えなくなってしまいましたが、まだ十分にきれいなので、色付け加工をしてきれいにしてから経机で使っていただけるようにしました。赤い蝋燭はお魂入れをするときにお使いいただくものです。
以前は扉が少し仏間から出てしまうことを気にされていましたが、このサイズなら扉を閉めればコンパクトに納めることができます。たまたまですが、高さも3cmくらいしか隙間がなくぴったりでした^^
経机を2面お持ちでしたので、花立や火立の仏具を置く机とお経本を置く机とに分けて、有効に利用した配置となっています。
古いお位牌2本と、手前の経机2面、りん台・木魚・鉦吾(しょうご)等は持ち帰って掃除や金箔直しを行いました。鉦吾はおりんの奥にある仏具です。
今回お客様はお買い替えかお洗濯かで悩まれましたが、最終的には少し小さいサイズのお仏壇へのお買い替えを選ばれました。娘様ご夫妻と一緒に住まわれていて、将来お仏壇を受け継いでもらうにも、少しでも小さい方がいいだろうということもあってお買い替えを決められたそうです。次の世代にも末永くお祀りいただけるようになりましたので、これからも安心してお参りいただけますと幸いです。当店にお仏壇のご相談をいただきまして誠にありがとうございました。
今回は、お洗濯のご相談から最終的にお買い替えされたケースをご紹介いたしました。お仏壇のお洗濯は、古くなったお仏壇を新品のようによみがえらせることができます。ただ、お仏壇の状態によってはお洗濯が難しかったり、費用面がかさんだりしてお買い替えになることもあります。当店では、ご相談いただきますと、まずはお仏壇の状況を確認させていただいて、お客様の思いやご予算を伺い、それに適したご提案やお見積りを差し上げております。結果的にどちらのケースであっても、「お仏壇をきれいにしたい」というお客様にご納得・ご満足いただけるような修理やお買い替えになればとの思いでお手伝いしております。まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。