真宗大谷派、幅3尺の立派な金仏壇を新調。28号 橘 日本製、京都市左京区のお客様
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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。
京都市左京区のお客様より、幅3尺の大きく立派な金仏壇をお求めいただきましたのでご紹介いたします。
金仏壇 28号 橘 日本製 真宗大谷派 京都市左京区のお客様
ホームページからお問合せをいただいたお客様で、お仏壇の新調をお考えになり、ご家族で当店までお越しくださいました。お客様は、当店から車で1時間程度の滋賀県栗東市にお住まいで、このたび京都市左京区のご実家を建て替えてお父様と同居されることになり、新しくお仏壇を求めたいということでした。もともとあったお仏壇は、家の棚に仕込まれた形のもので取り外しができるようなお仏壇ではなかったので、お仏壇は建て替えに際して新調をお考えでした。京都にも仏壇店はありますが、お父様が大きめの金仏壇をご希望でしたので、息子であるお客様がそのご希望に沿うような仏壇店を探して、当店にお声かけくださったのではないかと思います。
初めにご来店されたときはまだご自宅の建て替え前でしたので、ご希望のお仏壇にあわせた仏間造りのアドバイスもさせていただきました。お仏壇の寸法に対して必要な仏間の寸法、コンセントの位置などをご提案し、それにあわせて仏間の幅を少し広げるなどされ、完成したご自宅の仏間にご納品させていただきました。
【本尊】阿弥陀如来像 総金箔 6.0 仏像眼入り 六角台座
【両脇】掛軸 両大師(右:親鸞聖人 左:蓮如上人)100代 手描き本金襴仕立て
こちらは、ご納品前の確認作業のようすです。今回は仏像や仏具はすべて新しいものをご用意させていただきました。工房で、お仏壇に実際に仏像と仏画掛軸を設置してバランスを確認します。仏像の高さが、少し足りないように感じましたので、黒塗りの台(高さ3.5㎝)を追加させていただきました。
ご本尊は阿弥陀如来像で、総金箔仕上げ、サイズは6寸(約18cm)です。目の部分は描いたものではなく、頭部を割って眼球に見立てた玉を目の部分に入れ込んで塗って仕上げた「眼入り」という手法が用いられており、手の込んだ高級な仏像です。当店ではいくつか仏像をご用意していますので、ほかの仏像もお仏壇に置いて実際に見比べていただくと、「こっちがいい」とお父様がとても気に入ってくださってこちらをお選びになりました。両脇の掛け軸はサイズが100代、両大師様(右:親鸞聖人 左:蓮如上人)が手描きで描かれています。お東の紋が入った表装部分は、本金糸を使用した「本金襴」仕立てです。本金糸なので変色せず、美しい輝きが続きます。
【金仏壇 28号 橘 日本製 真宗大谷派】
ご納品のようすです。お仏壇にあわせて仏間の幅を少し広げていただいたので、扉の開き具合も良くてぴったり納まっています。仏間の高さも仏壇の高さより2,3センチほどプラスで作られているので、余分な隙間もなく仕上がっています。28号はお仏壇の戸巾サイズで、外幅は3尺(約90cm)ととても立派なお仏壇です。
お仏壇上部などに見られる木目が感じられるような塗り方は、彦根仏壇の特徴でもある「木目出し塗り」で仕上げられています。透明の塗料を使ったもので、京都や大阪などのお仏壇と比べると赤みがあり、暖かさや明るさがあります。お仏壇が大きくても黒色ほど重厚感が出過ぎないので、大きなお仏壇に好まれる塗り方です。
今回は、すべてお東の正式な仏具をご用意させていただきました。阿弥陀様の手前にあるのは、花立と蝋燭立一対ずつに香炉をあわせた五具足です。もう少し小さいサイズのお仏壇では、前卓に載りきらないので三具足になりますが、こちらは立派な大きいサイズなので五具足でも十分なスペースがあります。左右の輪灯瓔珞(りんとうようらく)は、お東のみで使われる仏具です。下に下がっているのが輪灯で、瓔珞はキラキラした上部の飾りの部分です。阿弥陀様は、小柱奥に仕込んだスポットライトで照らし出されています。
手前に経机をご用意させていただきました。昔のお仏壇はお仏壇の中でお線香や蝋燭を焚いていましたが、煤や煙でどうしても汚れてしまいます。最近のお仏壇は、お仏壇の中の蝋燭などはLEDにして、経机でお線香や蝋燭を焚く形がほとんどです。
おりんの下にあるのは「雲輪りん台」です。お西ではりん布団を使いますが、お東の場合は正式にはこの「雲輪りん台」を使用します。木製で雲の柄を彫ったものに金襴の輪が載っています。
今回のお宅では、リビング続きの和室に仏間を設えられていました。すっきり収まっていて、とても自然です。
お客様は実際に仏間に納められたお仏壇をご覧になって、「お店で見ていたより、大きくて立派やなあ」と喜んでくださいました。このたびは当店にご用命いただきまして、ありがとうございました。お引越しの最中でしたのでお父様にはお会いできませんでしたが、いつかご感想をいただければ嬉しいです。お困りのことなどございましたら、どうぞいつでもお声かけくださいませ。
今回お納めさせていただいたお仏壇は、幅3尺(約90cm)の大きなお仏壇でした。京都と彦根のお仏壇には様々な違いがあり、京都は小型の仏壇がメインですが、今回のような幅3尺以上の大きなお仏壇は、彦根が得意とするサイズです。彦根仏壇で一番大きいサイズは幅が4尺(約120cm)あり、技術的な面に限らず費用面でも得意とするところと言えます。実際に大きく立派なお仏壇を探している方の中には、地元ではご満足できずに、色々見て回られて金仏壇産地彦根にお越しになる方も多いです^^ ご興味のある方は、どうぞお気軽にお越しいただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。