三重県いなべ市のお客様より、浄土真宗本願寺派のお仏壇のお買い替えをいただきました

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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。

三重県いなべ市のお客様より、4尺前開き 橘 日本製のお仏壇をお買い換えいただきましたので、ご紹介いたします。

 

4尺前開き 橘 彦根仏壇® 日本製
三重県いなべ市のお客様 浄土真宗本願寺派のお仏壇(お仏壇の買い替え)

 

10年以上前に当店でお仏壇をご購入いただいた弟様からご紹介いただいて、三重県いなべ市のお客様よりお仏壇をお買い替えいただきました。実は、弟様が当店でお仏壇をご購入いただくきっかけを作ってくださったのが、お兄様である今回のお客様でもあり、以前から当店のことを気に入っていただいていた方でした。「仏壇を購入したいので見に行きたい」とまずはお電話をいただき、後日お店までお越し下さいました。いなべ市は地理的にも近い関係上、以前からとてもご縁のある地域で、当店でも300本以上の納品実績があり、彦根仏壇をおまつりいただくお宅が多い地域です。

お話を伺いながら店内を見て回られたところ、ご希望やご予算に叶うお仏壇があったのですが、お客様のご宗旨 浄土真宗本願寺派(お西)ではなく、真宗大谷派(お東)のお仏壇でした。形は同じなのですが、お西のお仏壇では柱は金柱、お東では黒柱であるなど、仕上がりに違いがあります。今回は、ちょうどそうした仕上げに入る前の塗りの段階の仕掛品がありましたので、少しお時間をいただいて、お盆前までに宗派に合ったお仏壇を作らせていただくことになりました。

 

こちらがその仕掛品で、塗り途中の仮組をしたところです。この仕掛品は、上塗りや金箔を貼ったりする仕上げ前の段階のため、ご依頼をいただいてから宗派にあったお仏壇に仕上げることができます。また、同じような形の中国製のものも候補に挙がり、どちらもお見積りを差し上げましたが、せっかく作るのだから良いものをということで、日本製のお仏壇をお選びいただきました。

 

【本尊】

お買い替えの際は、ご本尊や仏具などで残せるものがあればきれいにして残すこともできますので、一度お邪魔してその状態などを確認して、お客様とご相談いたします。今回は、修理してまた使いたいとご希望でしたので、お手持ちのお仏壇にあったご本尊の阿弥陀如来様の掛軸を修復・表装し直ししました。左が修復前です。だいぶ傷んでいましたので、本紙(中央の阿弥陀如来像の絵かがれている部分)の金泥や彩色を描き直して復元、本金襴仕立てで表装を仕立て直して、サイズも新しい仏壇に合うように少し小さく変更しました。

 

こちらはご本尊の裏側です。裏書は、表のご本尊とセットで、「方便法身尊像」とその当時の門主様のお名前が書かれていることが多いです。そのため、このご本尊がいつ頃の年代のものかが分かったりします。以前は横向きになっていましたが、今回はサイズを変更して幅を狭めたので、縦向きにして貼り付けました。

 

【法名軸】

こちらは法名軸です。そのお家の過去のご先祖様のご法名が一覧になっているものです。こちらも本金襴で表装をし直して、本紙に直近の二名様のご法名を追記させていただきました。こちらはサイズは変更していません。

 

こちらは裏側です。端の部分は破れているところもありましたが、表装し直してきれいになりました。これでまた100年、変わらずお祀りいただけます。

 

いよいよご納品の当日を迎えました。今回はご納品と同時に古いお仏壇と入れ替えとなりましたので、まずは仏具などを取り外して、古いお仏壇を仏間から出しているところです。150年以上は経っているお仏壇でしたので、だいぶ傷んでいるところもありましたが、大切にお祀りされているお仏壇でした。 仏間をお掃除してから新しいお仏壇を設置します。

 

設置完了です。4尺前開き 橘 彦根仏壇® 日本製のお仏壇です。

 

中央は、さきほどの修復が終わったご本尊 阿弥陀如来です。なずってすべてを描き直したので細かい部分まではっきりきれいに見え、さらに上からLEDのスポットライトを当てていますので、よりくっきりと浮きががっています。両脇は両大師様(右:親鸞聖人・左:蓮如上人)で、こちらは今回新調いただきました。ご本尊と同じく、すべて手描き本金襴仕立て、周りの金襴の柄はご本尊と揃えて統一感を持たせました。

花立・香炉・蝋燭立の三具足は新しいもののように見えますが、もともとお手持ちのものを表面に色付け加工(漆焼き付け塗装) をして再利用しています。初めにお仏壇を確認させていただいた際に、まだ十分にきれいでしたのでご提案しました。両大師様の掛け軸の手前にある吊ってある隅瓔珞(すみようらく)も、きれいに修復して再利用しました。

 

左手にかかっているのが、お名前の追記と表装直しをした法名軸です。仏具や飾りはきれいにし直して再利用したものがいくつもありますが、新しく作った部分と遜色のない、とても美しい仕上がりです。

 

経机とおりんも、状態が良かったのでお手持ちのものをきれいにしておかざりしました。おりんは表面に透明のセラミック加工を施しています。お仏壇の扉(雨戸)には、白く薄い布をかけていますが、これは私どもで白布(はくふ)と呼んでいるものです。この部分は傷やほこりがつきやすいため、それを防止する意味で普段のお参りの際はかけていただいています。その後すぐにお年忌などをされる場合は、はずしておく場合もありますが、今回はご希望でかけておきました。

 

ずいぶん以前から古くなったお仏壇を買い替えたいと思っておられたお客様には、「念願が叶った」ととても喜んでいただくことができました。これから先も末永くお参りいただけるお仏壇になるようにとこちらからご提案した内容も、「せっかくなら」と採用していただくなど、私どもをご信頼くださっているのが伝わり、いつも通りではありますが、誠心誠意お手伝いをさせていただきました。

今回直させていただいたご法名軸には、250年くらい前の元号もありました。お家そのものの長い歴史とともに、これまで150年以上受け継いでこられたお仏壇がこのたび新しくなり、これから先もまた100年以上、ご子孫の代まで大切に守っていただければ本当にありがたい限りです。このたびは当店にお声かけいただきまして、誠にありがとうございました。何かお困りの折には、いつでもご連絡いただければ幸いです。どうぞこれからも末永くよろしくお願いいたします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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