金仏壇と唐木仏壇の良いところをあわせ持った、真宗大谷派のお仏壇。掛け軸の保存もご依頼、滋賀県犬上郡甲良町のお客様
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日本を代表する仏壇産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。
滋賀県犬上郡甲良町のお客様に、お仏壇のお買い換えをいただきましたのでご紹介いたします。
滋賀県犬上郡甲良町のお客様 真宗大谷派(お東)のお仏壇
滋賀県犬上郡甲良町のお客様より、お仏壇のお買い換えをいただきました。当店近辺のお店も何軒か回られてからご夫妻でご来店くださいました。
お話を伺うと、ご自宅を解体するのを機に、古い大きいお仏壇を小さめのお仏壇に買い替えることをご検討で、仏間のサイズなども確認してお越しくださいました。当初は、金仏壇ではなく唐木仏壇がいいかなというご希望でしたが、展示品等をご覧いただく中で、金仏壇と唐木仏壇のちょうど中間のような、それぞれの良いところを合わせ持ったお仏壇に興味を持たれました。こちらは、金仏壇ほど豪華ではなく、唐木仏壇では少し寂しいという方に人気の商品です。
気に入っていただけたようでしたが、その日は一旦帰られてじっくりお考えになり、再度ご来店くださいました。仏間の寸法からするとご覧いただいたお仏壇は少し小さめであること、紫檀ではなく黒檀系のものもご用意できることなど、色々と説明をさせていただきました。サイズはこの小さめのものがご希望に一番近いこと、また、紫檀の赤みのある色合いがお好みということでしたので、展示していたものをそのままご納品させていただくことになりました。
ご納品の際の様子です。気に入っていただけた金仏壇と唐木仏壇の良いところを合わせ持ったお仏壇です。お仏壇の中はきちんとしたお東の仕様になっていますが、外側は紫檀で落ち着いた雰囲気になっています。
お東のお仏壇の特徴をきちんと反映した仕様で、柱が黒く、宮殿の屋根が瓦屋根の2重屋根になっています。ご本尊は掛け軸で、お仏壇に似合うものにお買い替えいただきました。中央の阿弥陀如来と両脇の両大師(親鸞聖人と蓮如上人)ともに、特上正絹緞子手描き仕立てです。仏壇に合った落ち着いた最上級の仕立てでご用意させていただきました。
お仏壇上部です。上部の前狭間は、「雲と天女」という図柄です。天女様は、細かい部分まで表現できるよう、あえて塗らずに仕上げられています。内部の仏具、吊り仏具なども正式なお東の仕様です。
大きい仏間に対して、あえてこの小さめのサイズのお仏壇を選ばれましたので、高さ調節のために仏間用すだれをピッタリの寸法でご用意しました。
こちらは、以前のお仏壇にかかっていた掛け軸です。今回、この掛け軸を保存したいとご要望いただいていました。お仏壇の魂抜きに来られたお寺様から、せっかくだからこの掛け軸を保存しておいてはどうかとお話があったそうです。「そういうことはできますか?」とご相談いただいたので、本紙(絵が書かれている紙部分)だけをはがして台紙に貼り付けて保存することをご提案しました。
こちらは掛け軸の裏側です。7,80年は経っていると思われる掛け軸で、かなり古くなり、汚れも見られますが、きちんと裏書も記してありました。台紙に新たに貼り付けて保管するご提案を採用していただき、こちらもお任せいただくことになりました。
三つ折り台紙に貼り直して完成です! こちらは表紙で・・・
右だけを開くと、このように親鸞聖人と裏書を見ることができます。裏書には、当時の本願寺の門主様のお名前(ご署名)と、「方便法身尊形(ほうべんほっしんのそんぎょう)」と書かれています。「方便法身尊形」とは、本来は色も形もない阿弥陀如来の真実の用(はたら)き=「法性法身(ほっしょうほっしん)」が、私たちにも見え、理解できるよう姿形を現わしていらっしゃること=「方便法身」を意味しています。現在でも、お仏壇にお祀りするご本尊の裏には同じ文言があります。
全開した状態です。通常は表装直しといって、きれいにしてまた掛け軸に表装し直すことがほとんどですが、その一工程として洗ってきれいにする作業があります。今回はその工程までは同じで、台紙に貼りつけて仕上げました。簡易的なお祀りができる、いわゆる「三つ折り三尊」のような形です。この状態であれば、普段は引き出しなどに保存して、必要に応じて取り出してご覧いただくことができます。
以前のお仏壇は、扉が閉まらなくなってガムテープで巻いてあるほど古くなっていたこともあり、隅々まできれいなったお仏壇には大変喜んでいただけました。また、三つ折りにした台紙はお仏壇のご納品の後日お持ちしましたが、汚れもきれいになって残すことができ、こちらもとてもお喜びいただけました。
今回は、ご自宅の解体に合わせて古いお仏壇のお引き取り、その後新しいお仏壇のご納品をさせていただきました。スケジュール通りに進まなければいけない中で、お引き取りからご納品まで、慌てることもなくスムーズに順序良く進めさせていただくことができました。一つの節目であるお正月までにご納品することができたのも、お喜びいただけた理由のひとつかもしれません。お客様のお力添え、ありがとうございました。また、このたび大切なお仏壇を当店でお買い換えいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。今後ともどうぞ末永いお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。