橘28号前開き、浄土真宗本願寺派(お西)のお仏壇へお買い替え。リフォームした仏間にちょうどよいお仏壇、滋賀県米原市のお客様
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日本を代表する産地彦根で、こだわりの手造り仏壇を製造しております、井上仏壇の井上昌一と申します。
今回は、米原市のお客様のお宅にて、浄土真宗本願寺派(お西)の金仏壇をお納めさせていただきましたので、ご紹介いたします。
【米原市のお客様 浄土真宗本願寺派のお仏壇】
今回のお客様は、5,6年前からお仏壇のお買い替えを検討されていたそうです。その際、近くのお仏壇屋さんを色々と見てまわって、当店にもお越しくださっていました。ただ、その時はご都合で延期をされて、このたび5,6年越しにお買い替えを決められてお越しになりました。以前にお仏壇店を見てまわった際に、当店のことを気に入ってくださっていて、「購入するならこの店で」と決めてお越しくださったそうです。ありがとうございます。
お客様はご自宅にご先祖様から受け継いできた古い大型仏壇をお持ちでしたが、将来も受け継いでいくことを考えて、今回それを小型仏壇に買い替えたいとお考えでした。また、仏間もその新しいお仏壇に合わせて幅を狭くして、空いた仏間のスペースには収納を設けたいとご希望でした。実際の寸法は測ってきておられませんでしたが、現状を詳しく伺うと、仏間の幅は一間(6尺:約1.8m)で、今のお仏壇は浜壇ということでした。浜壇は少し大きめのお仏壇ですがだいたい寸法は決まっており、それが一間の仏間に入っているというお話しを伺ってだいたいの想像がつきましたので、「今のお仏壇より小さくても、小さすぎないもの」「収納の幅をどのくらい確保するか」を考えながら、その日は小さいサイズから大きいサイズまで色々と見ていただきました。
その際、「このお仏壇であればこのくらいのスペースが必要です」という目安をお伝えしていたのですが、お客様は次にご来店くださったときには設計図を書いてお持ちくださいました。仏壇と収納のバランスなどを実際の仏間を見ながらご自宅でじっくり考えて作られた設計図で、お仏壇の扉を開いた状態でも納まりよく、収納スペースもほどよい幅を確保できており、バランスの良い間取りでした。収納の幅を広く取れるもう少し小さいお仏壇も候補にあがり、2通りのお見積もりも差し上げましたが、少し小さすぎるかなということで、最終的には2つのうちの大きい方のお仏壇をお選びになりました。
こちらはもともとのお仏壇です。ご本家様から受け継いだという立派な浜壇ですが、作られて100年くらいは経っているもののようでしたので、やはりずいぶん古くなっていました。
古いお仏壇をお引き取りしてから、お客様が作られた設計図をもとに仏間をリフォームして幅を狭くし、右横の収納スペースも確保されました。今回ご購入いただいたお仏壇は、展示されているものと宗派違いだったため、仏間のリフォームの間に新しいお仏壇をお作りしていました。
ご納品の際の様子です。当店の商品名で、「橘 28号 前開き」のお仏壇です。ご宗旨は、浄土真宗本願寺派(お西)になります。
扉を開いて納めるため、お仏壇の左右に10~15cmくらいの隙間が必要になるのですが、収納との兼ね合いも考えながら、ちょうどよい幅を確保していただきました。
お仏壇の中央、仏画掛軸です。当初は、以前のお仏壇にあった仏画掛軸を表装し直して新しいお仏壇にお祀りすることをご希望でしたが、拝見したところ印刷画で古くなっていましたので、この機会にちょうどよいサイズのものに新調することをおすすめしました。本願寺派の掛軸では最高級の、「雲鳳凰柄本金襴手描き」仕立てでご注文をいただきました。
「本金襴」は本金糸を使用した表装です。絵が描いてある部分 本紙は、絹本(けんぽん:書画をかくのに使う絹地)に手描きで描かれてています。印刷の場合は、紙でできた本紙に印刷したものになります。紙に印刷の場合は汚れたり古くなるとどうすることもできませんが、絹本であれば本紙だけをはずしてもう一度表装しなおすことができますので、代々永く受け継いでいただくことができます。昭和40年以降、印刷のものも増えてきましたが、実際に古いもので300年くらい前の掛け軸を直すこともあります。
掛け軸の紺色の表装部分は、「雲鳳凰柄」といって雲と鳳凰のモチーフで、お西専用の柄です。その内側の赤と白の部分はお西の紋が入っています。お西のお仏壇らしい最上の仕立てです。
仏具は、5具足(花立て1対・蝋燭立て1対・香炉)が正式な形になりますが、今回はお客様のご希望で3具足(花立て1つ・蝋燭立て1つ・香炉)にしました。少し大きめのタイプなので、お花も入れやすくなっています。花立てと蝋燭立ての間にある青磁の香炉は実際に使用するもので、その奥の蓋付きのものと花立て・蝋燭立てを合わせて3具足になります。
お仏壇の上部にある前狭間は、お店に展示してあるお仏壇と同じ彫刻がいいとご希望でしたので、同じものをお入れしました。「孔雀牡丹」の彫刻です。お障子の下にある蒔絵も展示品と同じものです。こうして部分的にお好みのものを入れることができるのも、産地だからこそご対応できる強みだと思っております。この柄はどうしてもイヤなんだけど・・・とおっしゃるお客様もいらっしゃって、変更できることをお伝えすると、せっかくお仏壇を作るなら多少費用がかかっても変えたいとおっしゃる方が多いです。
以前のお仏壇よりサイズは小さくなったものの、とても立派で細部までこだわった金仏壇の完成です。お客様は、今までのお仏壇にはなかった仏具なども増えたので、「きれいになってうれしいけど、扱いが心配だなあ・・・」と少し緊張されていました^^; お店の広い展示スペースで見ていた時に比べて、ご自宅の仏間に入っているのを見るとより大きく立派に感じるという方が多いのですが、今回も想像よりとても立派なお仏壇ができたと感じていただけたようです。何年も前から買い替えたいと思われていたお仏壇がようやく完成し、念願叶って喜んでいただたてよかったです。
今回のお客様は、いつもご夫婦で仲良くご一緒にお越しくださっていました。お二人ともとても優しくお人柄の良い方で、私の不手際も「かまへん」とあたたかく見守ってくださいました。ご購入も当店で、と決めてご信頼いただいていたので、私どもも精一杯のご対応をさせていただきました。本当にありがとうございました。これからも、末永くお付き合いいただけますと幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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